今年の春、日本でも「台湾パイナップルを買おう!」と話題となったことは記憶に新しいかと思います。実際に食べた方は、その舌に渋みの残らない極上の甘さに驚いたのではないでしょうか。
台湾パイナップルの代表的な産地は台南の「關廟(グァンミャオ)」。ここ現地で購入できるパイナップルはいずれも糖度が高く、ハズレのパイナップルを掴まされることはほとんどありません。
台南の關廟は地形や気候など、すべてがパイナップルの生育に適しているため “パイナップルの故郷” とも呼ばれています。パイナップル・たけのこ・關廟麺は『關帝廟の三宝』とも言われ、多くの観光客が必ず買う名産品です。
毎年4月末から6月にかけてパイナップルの収穫期を迎えます。最もよく見られるのが開英種(通称:土パイナップル)と金鑽パイナップル。その他にも釋迦パイナップル、ミルクパイナップル、香水パイナップルなど、非常に多くの品種が生産されています。
今回はそんなパイナップルの故郷・台南關廟の、ぜひ体験してほしいチェックポイントをまとめてみました。
チェック① 朝の味、關廟魯麺
肉団子とキャベツの甘さを感じられるさっぱりとしたスープに、名産・關廟麺を加えた「關廟魯麺(グァンミャオルーミェン)」。地元の人たちを満足させる朝の一杯です。混み合うときには正午には売り切れてしまうことも。まずはそのままの味を堪能し、その後はお酢で風味を加えたり、豆瓣醤などの辛味調味料を添えるなど、机上の調味料で三者三様の味を楽しみましょう。
チェック② 大潭埤 旺萊公園
大潭埤にある旺萊公園の人気スポットは、公園シンボルでもある巨大パイナップル像。台湾ドラマ『我的婆婆怎麼那麼可愛(英題:U Motherbaker)』のロケ地でもあるため、記念撮影に訪れる人も少なくありません。緑豊かなエリアなので、のんびりと散策するのにもおすすめの場所です。
チェック③「深緣及水」のパン
「深緣及水(シェンユェンジーシュイ)」は、台湾ドラマとのコラボレーションで一躍人気に火がついた非常に印象的なベーカリーです。一番人気はパイナップルトーストですが、それ以外にも地産品であるフレッシュな果物をふんだんに活かした、他では味わえないオリジナル商品を購入することができます。人気のパンが焼きあがる時間には、並んで番号札を受け取らなければ手に入らないこともあるので、休日はご注意を。
トーストとは違う味わいのパイナップルパン/筆者撮影
トーストやパンの他にもパイナップルを原材料とした商品が並びます。
前述の台湾ドラマ『我的婆婆怎麼那麼可愛』の舞台「深圓烘焙(深圓ベーカリー)」のロケ地はまさにここ「深緣及水」の店内。劇中に出てくるパイナップルケーキをそのまま販売したところ、ドラマの人気も相まって、あっという間に店の看板商品となりました。
パイナップルケーキの形はかわいい丸型。厚みも一般的な商品と比べてやや薄めなので、口に運びやすいのがポイントです。そして肝心の餡も酸味と甘みのバランスが良い地元・關廟産のパイナップルのジャムをたっぷりと使用。テレビドラマの中でも本当に美味しそうだったのですが、実際に食べることでその美味しさに改めて感動しました。
舌の肥えたお友達へのお土産としても、もちろん自分用にもおすすめです。
チェック④ パイナップルティー
さらに關廟で見逃せないのが「パイナップルティー」。散策中にも道端でペットボトルに入れたパイナップルティーが売られているのをよく見かけます。とくに夏場はキンキンに冷やされているので、暑さを打ち消すのに最適な天然ドリンクなのです。
パイナップルティーは、新鮮なパイナップルを煮立たせて水と砂糖を加えた後、冷蔵庫に入れておけば出来上がり。パイナップルの果肉も入った、素朴で懐かしい台湾の味をぜひ体験してみてください。
チェック⑤ パイナップルジャム
台湾では一年中パイナップルを収穫することができますが、主に11月から2月のパイナップルは酸度が比較的高く、直接食べるのにはあまり向きません。しかし、パイナップルは豊富な “酵素” を含んでいるのでジャムやその他の加工食品にすることで、その利用価値は無限大に。肉の調理に役立つことはもちろん、台南のご当地メニュー「鳳梨苦瓜雞(パイナップルとゴーヤの鶏肉スープ)」を作るときにも欠かせません。
パイナップル発酵食品「蔭鳳梨」/筆者撮影
パイナップル業界用語:他殺vs自殺
「他殺のパイナップルを1つください」
一瞬びっくりするような会話ですが、これはどういう意味なのでしょうか。
じつは「他殺」は、店主に皮を剥いてほしいとお願いするという意味。すぐに食べたい時は「他殺」のパイナップルを選びましょう。持ち帰って自分で剥いて食べる場合は「自殺」のパイナップルを選んでください。
パイナップルの代表的な種類として、開英種(通称:土パイナップル)は爽やかな酸味が特徴的で、金鑽パイナップルはまろやかな甘さが特徴と言われています。そのためパイナップルの缶詰にはよく金鑽パイナップルが使われているそうですよ。
次の台湾旅では、ぜひパイナップルの故郷・台南關廟で、自分だけのお好みの味を探してみてくださいね。
出典:遊譜YOUPUT
https://www.youput.org/content-info.php?id=169
Youputライター/南漂媳婦-小夏