台湾にいると、オフィスビルの前でビジネスマンが机にお菓子をいっぱいに並べてお祈りをしているのを見かけることがないでしょうか。 日本ではなかなか見られない不思議な光景に、私も留学に行った当初は台湾人の友達に「あれ何?」と聞いた思い出があります。 その正体は、商売の神様とも呼ばれる「土地公」へのお祈り。今は主に台湾で信仰されている神様で、道教にルーツがあるそうです。 親しみを込めて「土地爺」など別の名前で呼ばれることもあります。
商売の神様「土地公」
お店やオフィスビルの前で机にお供え物を出しているのを見かけたら、大体の場合は「土地公」への拜拜=お祈りです。
特に、毎月2日と16日は「作牙」と言ってお祈りをする日なので、街で見かけるお供えはその二日間が一番多いかもしれません。
基本的に、お供え品+神様のために燃やす紙のお金+長いお線香のセットで行います。
オフィスの引っ越し
「MEILY TAIWAN」の運営会社・ジーリーメディアグループは、2019年の4月にオフィスの引っ越しを行いました。
台湾ではオフィスを引っ越ししたら、近くの土地公の廟(お寺)に「商売がうまくいきますように」とご挨拶に向かうのが習わしです。
当日は頼もしい台湾人社員さんにリードしてもらいながら、日本と台湾を行き来している社長の吉田が中心になって、お祝いムードの中で引っ越しのご挨拶が進みました。
新オフィスの入り口に看板を取り付けるのもこの日行いました。実は数日前からオフィス自体は引っ越しが完了して使っていたのですが、こうして看板が付くとグッと気が引き締まりますね。
ちなみに、写真に写っている大きなツボは大家さんのコレクションです。
新オフィスは大家さんのご趣味でアンティークな置物や絵画が多く、ちょっと不思議な雰囲気です。大家さんの趣味の装飾が含まれている貸しオフィスというのも、なかなか台湾らしいと思います。
お参りとお供え物
今回お参りしたのは、緑色の可愛い外観で有名な豆花のお店「庄頭豆花担」の近くにある中崙福成宮。オフィスから約500mの距離にあるので、まさに地元の神様です。
台湾のお寺は獅子や龍の装飾がどれもとても可愛いので、ハッピーな気持ちになりますよね。
到着したら早速お供え物を並べてお祈り開始…なのですが、ここから先は「神様の前なので写真はダメだよ」とのことで、写真はありません。
少し残念ですが、ぜひ自分の目でお参りに行って確かめて見てください!
お供え物は、写真のようなスナックと、果物を持っていきました。
台湾のお参りでは大きなスナック菓子をお供え物とするのがとってもメジャー。そのため、お供え物の台がとってもカラフルで華やかになるので私はとても好きです。
パイナップルは台湾語で「旺來」。「幸運を招く」という意味があります。リンゴは「蘋果」の発音が「平安」を連想させるので、どちらもフルーツのお供えの中では人気があります。バナナ(香蕉=招)やオレンジ(橘子=吉)も良い意味があって定番です。逆に、なんとなく台湾らしくていい気がしてしまう釈迦頭やドラゴンフルーツ、グアバは禁忌なのだとか。
お供えが置き終わったら、参加している社員みんなでお線香を持って、それぞれの神様に順番にお祈りに行きます。社長は会社を代表して、オフィスの住所や会社の名前、自分の名前、挨拶などを告げる役目もあり、責任重大です。
普段の作牙
これは、弊社ジーリーメディアグループが台北で運営する日本アンテナショップ「MiCHi cafe」でのお祈りの様子。前述の通り、お店やオフィスは毎月2日と16日に「作牙」という商売繁盛のお祈りをします。
お供え物はスナック菓子や果物です。カジュアルで可愛いですね!
まとめ
台湾で本当によく見られるけれど日本人にとっては遠い習慣の「土地公」と「拜拜」を紹介しました。私もずっと遠くから見てきた行事ではあったものの、参加させてもらったのは今回が初めてでした。
会社のリーダーにとってもメンバーにとっても、オフィスの机から一旦離れてみんなで気持ちを一つにして会社の行く先をお祈りするのは、とっても素敵な時間だと思います。
台湾ならではの景色や行事は本当にたくさんあるので、見かけたらぜひ興味を持ってみてください。