最も南・最も忘れられない藍皮解憂號の鉄道旅行

台湾東部

藍皮解憂號(ランピジエヨウハオ)はライオントラベルと台湾鉄道が提携する観光列車の鉄道路線です。初期の藍皮普通快速列車を修復し、新たに整備しながらも、同時に、昔の乗車体験をしているかのような古典的要素を残しています。例えばおじいちゃん時代の扇風機や窓を開けることができる汽車。当時の乗車環境を保持し、観光の視点をもって再出発します。
列車は枋寮から台東までの路線を通ります。線路はちょうど微笑みの曲線を描いており、藍皮解憂號の旅行の趣旨にも合致しています。旅行客は心配を忘れ、自然と笑みが浮かぶのです。

藍皮意象館(Breezy Blue Station)と微笑みルート

藍皮意象館は、藍皮解憂號の設計理念と路線図を展示しています。藍皮解憂號に乗車する前には、藍皮意象館でチェックインする必要があります。購入したチケットで特製ドリンクを一杯いただくことができるため、乗車30分前には藍皮意象館に行き、チェックインすることがおすすめです。そうすることで、藍皮意象館の展示を見て回ったり、写真を撮ったりするための十分な時間が確保できます。

藍皮意象館で展示された路線


チェックインをすると、自分用の旅行かばんをもらうことができます。中には、往復の乗車券、ヘッドホン、藍皮解憂の記念乗車券とはがき、ネックストラップ(要回収)が含まれています。乗車時は、それぞれの車両の専属ガイドが、藍皮解憂號の物語と各駅の特徴を紹介してくれます。

台湾で唯一窓を開けることのできる観光列車

藍皮解憂號は初期の列車を再現しているため、冷房がまったくない一方で、窓を開けることができます。窓を開けると列車の音や風の音が非常に大きいので、ガイドの紹介を聞くには音声ガイドが必要です。ホームに早めに到着すると、空き時間を使って、乗車するところを撮ることができ、他の台湾鉄道の列車ではできない体験ができます。全車両がレトロな扇風機を採用しており、ガイドによると、これも初期の列車の中から状態の良い扇風機を選んだものであり、当時の趣をそのまま残しています。

タイムトンネルと南廻線で最も美しい海岸線をぬけて

藍皮解憂號に乗車中、列車は重要な景色と駅を通るたび、速度を落とします。これは普通の通勤列車と最も異なる点で、乗客は心ゆくままに窓を開けて美しい景色を鑑賞することができます。また、余裕をもってカメラのシャッターを押すこともできます。沿線にはとても美しい海岸が広がるうえ、最初の洞窟に入った時には、ガイドが電気を消し、洞窟そばの残光が列車の中ですばやくきらめきます。それはまるで映画のフィルムを上映しているかのようです。列車の轟音と相まって、タイムトラベルをするトンネルに入ったかのようでもあり、藍皮解憂號の独特な旅行体験といえます。

藍皮解憂列車で空腹知らず

駅弁の写真

最初のトンネルを過ぎると、それ以降のトンネルでは黄色の明かりが点灯し、レトロな雰囲気を体験できます。この頃になると、藍皮解憂のオリジナル弁当を食べ始めることができます。ガイドさんによると、解憂弁当は枋寮の有名なお弁当屋さんと協力し、その日の朝早くに作られています。そのため、手にしたとき、お弁当の温かさをまだ感じることができ、普通の台鉄弁当とは異なる、藍皮解憂ならではの特別なお弁当となっています。帰りには、ご当地ドリンクやドーナツがあり、エネルギー補給のお菓子となるので、列車の中では全くお腹が空く心配をする必要がありません。

トンネルを出る列車に乗りながらその様子を見る特殊な体験

多良駅に着く前に、長いトンネルを通ります。このとき、ガイドさんは乗客に携帯電話を取り出すよう呼びかけます。そこで、多良駅のライブカメラの動画を見てみると、高いところから撮影された、藍皮解憂號がトンネルから出てくる様子をリアルタイムで見ることができます。また、多くの鉄道ファンが多良駅で藍皮解憂號が到着するのを待っていますので、駅に到着したときには、外の旅行客と手を振ることを忘れてはいけません。

藍皮解憂専用線路|水平線の広がる太麻里駅

太麻里駅で降りた後、藍皮解憂號の乗客を対象にした、桜木花道交差点まで直行できる特別な道路があります。聞くところによると、漫画スラムダンクの名場面によく似ていることから有名なスポットとなったそうです。桜木花道交差点以外に、私の印象に残ったのは太麻里駅の外の日昇大通です。対称的な道路と水平線が、対称の美しさを感じさせます。年越しの際、初日の出を迎えるのにぴったりです。

桜木花道交差点

深い観光体験、金崙の集落へ

片道の場合、終着駅は台東駅です。旅行客はたいてい、台東で一晩泊まってから乗車して帰ります。当日往復する場合、台東駅で過ごせる時間は20分ほどしかなく、大変忙しいです。お土産を一個買うぐらいしかできず、すぐにプラットホームに戻り、乗車しなければいけません。行きと帰りで下車する場所が違うため、往復の旅行客は同じような場所に2回行ったとは思わないでしょう。時間があまりない人には、当日往復するというプランをおすすめします。

金倫の集落は、今回の藍皮解憂において、最も重要で深い旅行体験ができる場所、かつ最も長く滞在する場所です。列車から降りると、原住民の服装を着た集落の指導者たちが私たちを迎えに来ます。原住民の服装が、私たちが出勤するときに着るスーツのように、指導者たちの歓迎を表現していることが見てわかります。集落に入ると、集落の指導者と住民の関係が非常に良いことが発見できます。互いに挨拶を交わしており、人情味を感じます。私たちもいくつかのフレーズを覚えれば、現地の人と原住民の言語を交わすことができます。

集落の指導者が講演する様子


金倫の集落以外に、近くには金崙ビーチがあります。ビーチにはとてもきれいなアート作品があり、カップルが一緒に写真を撮るのに最適なスポットです。また、集落の指導者たちはパイワン族特有のトーテム文化や話を紹介してくれます。金倫の集落はパイワン族を中心にするものの、閩南や客家などの他の文化をもつ住民たちもいるため、集落にはカトリック教会のほかに、土地公の廟もあり、多文化が融合した集落となっています。指導者たちの専門的な紹介を聞くと、自分たちも原住民の言葉を何個かマスターしており、現地の住民たちと近しい距離で話すことができます。

金崙ビーチ

藍皮解憂列車は、車両の設計にも細やかな配慮が行き届いています。列車は、座席が向き合う形になっている車両と通勤車両に分けることができます。向き合う形の車両は長距離旅行に適するようデザインされた椅子で、椅子は向かい合う4人席に回転させることができるため、お見合い席とも呼ばれています。通勤車両は、私たちが乗る一般的な台湾鉄道の列車のように、たくさんのつり革があり、椅子のデザインもベンチタイプです。短時間の乗車、多くの乗客の乗車に適した空間設計となっています。当日往復する旅行客は、設計の異なる車両を体験することができます。

車内の様子

最も印象的だったのは、金崙ビーチに行く途中、藍皮解憂號金崙駅で私たちを待っていたことです。列車が観光バス同様に、一ヵ所にとどまり旅行客が戻ってくるのを待っているということは想像していませんでした。列車の運行回数は固定であるため、台湾鉄道との全面的な協力が必須です。
枋寮に帰る前の最後の駅は枋山駅です。帰りの時間はちょうど夕暮れ時で、夕日を眺めるのに一番良い時間です。夕焼け雲の美しい景色を撮影するチャンスがあることも。枋山駅に対する印象は「静かな無人駅」というものでした。しかし、ひとたび駅を出ると、山と海が一つになった美しい夕焼けを見ることができ、カップルにぴったりです。枋寮駅に戻ると午後6時ごろになるので、日帰り旅行にも最適です。

藍皮解憂は、線路沿いの景色も、列車から降りて訪れる観光旅行も、どれも自家用車では体験できない特別な行程を提供してくれます。

作者:南漂媳婦 小夏
台湾南北の生活文化を掘り、現地の生活やローカルツーリズム、イラストレーターなどを経験

 

出典:遊譜YOUPUT

藍皮解憂號鐵道旅遊|一日快閃最「南」忘的微笑曲線-遊譜YOUPUT
藍皮解憂號是雄獅旅行社與台鐵合作的觀光鐵路旅遊路線,以早期的藍皮普快列車進行修復與重新整理,再將過去搭乘體驗中的經典元素加以保留,如阿公級的電風扇與可以開窗的火車,保留當時搭乘的環境,重新以觀光的角度再出發。列車行經的路線從枋寮到台東的火車,剛好形成一個微笑的曲線,也符合藍皮解憂號的旅遊宗旨,讓旅客可以忘去煩惱,露出笑...

 

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