台湾で祝う中秋節!

カルチャー

先日、人生で初めて中秋節を祝いました!
今年の中秋節は9月29日の金曜日にあたり、台湾では、金・土・日の三連休でした。
中秋節とは、旧暦8月15日のお祝いで、中国が起源だといわれています。韓国のチュソクや日本の十五夜も旧暦の8月15日にお祝いしますよね!台湾では、春節、端午節とともに三大節句となっており、多くの人が実家に帰ったり、大切な人に会いに行ったりします。台湾での中秋節にちなんだ物語といえば『嫦娥奔月』や『玉兔』などがあります。中秋節の起源や、今の風習の背景を知ることができるので、みなさんもぜひ調べてみてください!
それでは、今回の記事では、そんな中秋節を台湾ではどのようにお祝いするのか、実際の体験をまじえて、紹介していきたいと思います。

月餅

月餅(ユエビン・げっぺい)、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。日本では、スーパーやコンビニ、中華街で一年中売られていますが、月餅は本来中秋節のときに食べます。台湾だけでなく、中国大陸や香港、さらにはシンガポールやベトナムといった東南アジアでも親しまれ、食べられています。形や味は地域性に富んでおり、各々好きな月餅やこだわりがあるため、月餅トークは聞いていて非常に面白いです。

街のお店に並ぶ中秋節用の贈り物

今回は、私が食べた2種類の月餅をとりあげます。
1つ目は廣式月餅(グアンシュウユエビン)。これは広東式といわれるもので、日本で最もよく目にするものです。中身はかなり多種多様で、あんこと塩気のきいた黄身やくるみが入った定番のものから、カスタードやフルーツ入りのものなど、各店工夫を凝らして販売しています。ずっしりとした重量感と、口いっぱいに広がる中身が特徴となっています。
2つ目は台湾式といわれる蛋黄酥(ダンフアンス)。これは、月餅のひとつとして捉えるひとと、別のお菓子として捉えるひととわかれますが、今回は台湾人が中秋節に食べる甘いもののひとつとしてここで紹介したいと思います。蛋黄酥は、丸くなったパイ生地のなかにこしあんと塩漬けされた卵の黄身が入っています。こしあんの甘さと卵のほんのりとしたしょっぱさが絶妙なバランスとなっています。また、パイの食感も軽く、個人的には広東式よりも好きでした!

上から、蛋黄酥、芋頭Q(餅入りタロイモケーキ)、廣式月餅

長い歴史ゆえに、広い地域で様々な人から愛されている月餅。
来年以降も、どこにいようと、月餅を食べることだけは中秋節の日に必ずしようと思います!

烤肉(バーベキュー)

台湾では中秋節の祝い方として、家族や友達と烤肉(カオロウ・バーベキュー)をします。きっかけはバーベキューソースメーカーのコマーシャルですが、今では全員が必ず中秋節に食べるほど、文化として定着しています。自ら道具や材料を準備して外でバーベキューする人もいれば、焼肉屋さんに行く人もいます。

焼肉屋さんのメニュー

私の場合は、友達がお店を予約してくれて、みんなで”烤肉”をしに行きました。最も驚いた台湾ならではの特徴は、トーストにお肉を挟んで食べること!日本では焼肉に白米、バーベキューに焼きおにぎりや焼きそばを食べることが一般的ですが、台湾では食パンとお肉のコラボを楽しみます。また、定番のお肉だけでなく、ハマグリやエビといった海鮮も人気です。豬血糕(ジュウシエガオ・豚の血を使ったお餅)や甜不辣(ティエンブラ・さつま揚げ)といった台湾特有の食材もあります。

多くの火鍋屋さん同様にアイスクリームの食べ放題付き!

柚子

中秋節のフルーツといえば柚子(ヨウズ・文旦)。日本でいうユズやブンタンとは少し異なり、私も初めて食べたフルーツでした。かんきつ類ですが、酸味が強くなく、爽やかな甘みを楽しむことができます。台湾の柚子は、中秋節に旬の時期が重なっており、その味わいは、夏の終わりにぴったりでした。ただ難点としては、むきにくい!外の皮がとても厚く、実についた薄皮もむく必要があるのです。包丁と手を駆使して、なんとかむけました!そんな苦労も報いるほどの美味しさなので、ぜひ台湾で見つけた方は食べてみてください!

むいた皮は、かわいく切り抜いたり、帽子にして猫や子どもにかぶせたりも

 

以上が台湾の中秋節の紹介でした!
日本では中秋の名月を本格的に祝ったことがなかったのですが、台湾で中秋節の文化を体験し、秋の満月を大切な人たちと愛しむことの価値を学ぶことができました。
もちろん現地に住んでいるからこそ、食べられるもの、楽しめることがありましたが、日本にいても手に入るものや楽しみ方があるので、今から来年の中秋節が待ち遠しいです。

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